ITトレンド最新情報

日々進化し、技術革新の絶えないITトレンドニュース。
皆様のビジネスやオフィスに影響がありそうな記事をキャッチし、随時更新しています。

いよいよ次世代!10ギガベースティー(10GBASE-T)の通信速度はいかに?

2019-02-13

皆様お世話になります。
今回は、LAN環境でデータ通信の現在主流になっている規格、1000BASE-T(1GbE)の10倍の速度を持つ新規格10GBASE-T(10GbE)について、お話させていただこうと思います。

10GBASE-Tは、ファイバーケーブルを用いたデータセンターや大規模な企業ネットワーク等の業務用途での利用が主でした。導入に必要なコストは非常に高価でしたが、従来のLANケーブルと同じRJ45端子に対応した規格である10GBASE-Tの登場で、メーカーから個人でも導入しやすい価格帯の製品が発売されるようになり、今後の普及が見込まれているようです。

10GBASE-Tの通信速度。LAN規格別比較
データ送受信する量、(帯域幅)はbpsという単位で表記されます。 bit per second の略で毎秒あたり、という意味で。この数字が大きいほど、1秒当たりのやりとり出来る情報量が多いということになります。

上記の比較表から考えると、理論値にはなりますが例を挙げると10GBのファイルの転送にかかる時間は、10GBASE-Tでは8秒、1000BASE-Tでは80秒(1分20秒)、10/100BASE-Tでは800秒(13分20秒)と大きな差がでます。


10GBASE-T 導入のメリット

現時点ではインターネット接続に関しては一般的な光回線であれば1Gbpsになります。
(東京都や関東の一部地域で10Gbpsのサービス提供が始まったばかりです。)

スイッチングハブ機能内蔵のWi-Fiルーターを用いて複数台のパソコンでインターネット接続とLAN内通信を行う」といった一般的に想定される環境では回線速度自体がボトルネックになり10Gbps対応デバイスが必要になる為、インターネット環境を快適にしたい、という理由で10GBASE-Tを導入するメリットはありません。
10GBASE-T導入で最もメリットを感じる事が出来るのは「パソコンとNASやファイルサーバー間のデータ転送の高速化」という点ではないでしょうか。
最近ではパソコンや周辺機器の高性能化に伴い、4K動画編集、高解像度のデジタルカメラ画像の加工など様々なハイエンドコンテンツ作成において扱うデータ容量はますます大きくなっています。NASやファイルサーバーとの大容量データのやり取りにおいて転送時間を向上させることで作業効率を飛躍的アップさせることが可能です。


10GBASE-T導入に必要な物

10GBASE-T環境構築に必要な物は、
・10GBASE-T対応のLANカード(クライアント側とサーバー側両方に必要)
・CAT6A以上のLANケーブル(Cat7推奨)
これらは最低限必要です。

又、環境条件よっては、
・複数台のPCをつなぐ場合は10GBASE-T対応のスイッチングハブが必要になります。
・NASを使用する場合はこちらも10GBASE-T対応のものが必要になります。

OSに関してはWindows7以降であれば問題はありません。


10GBASE-T対応LANカードについて

10GBASE-Tの帯域幅は10Gbpsとなります。

10GBASE-T対応LANカードを増設する場合、その帯域幅に対応したPCI-Express(PCI-E)スロットがマザーボード側に必要です。
PCI-Expressは世代別(Gen)に帯域幅が異なります。1レーンあたりの各世代別の帯域幅の下記のとおりです。

PCI-E Gen2であれば3レーン(速度12Gbpsまで対応)、Gen3であれば2レーン以上(速度16Gbpsまで対応)のスロットが必要になります。

マザーボードによってはPCI-Eスロットに空きがなかったり、形状はPCI-E×4のスロットでも動作がPCI-E×1だったりと様々な商品が存在します。10GBASE-Tの速度をフルに生かすためにはお使いのパソコンの拡張スロットの性能に注意が必要です。


10GBASE-T対応のLANケーブルについて

10GBASE-Tを利用する場合はCAT6AかCAT7のケーブルが必要です。
LANケーブルはCAT(カテゴリー)の数字が大きい順に上位規格となり、データをやり取りできる量が増え高スペックなものになります。

規格別に対応するLANケーブル表

LANケーブルは2本の銅線をより合わせたものを1対としそれを4対使用します。
CAT7の場合、1組ずつが個別にシールド加工されており、4対1組でさらにシールド加工することでノイズ対策が規格化されています。
CAT6aのケーブルに比べると高価にはなりますが、より安定した通信を行いたい場合はこちらをお勧めします。

LANケーブルには下位互換性があるので上位規格のものを最初に導入し、回線環境を後から整えることも可能ですがCAT7のLANケーブルはシールド加工されている分、通常のLANケーブルよりも太くて硬い為、狭い場所での敷設や配線が入り組んだ状態での張り替えには注意が必要です。

以上、10GBASE-Tについて簡単ですがまとめさせて頂きました。大容量データを扱う方や、複数台のクライアントPCが接続するオフィスなどでは特に大きな効果を体験できると思います。
必要な機器も安価になり種類も増えてきている事から導入のハードルは下がってきています。
このブログを見て10GABSE-T導入を是非ともご検討頂けたらと思います。

ITトレンド最新情報一覧に戻る