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昨今のNAS事情 〜Linux or Windows〜

2022-08-09

今更ながらのNASですが、従来のイメージではLinuxベースが主流でしたが最近はWindows OSベースのNASが主流になりつつあります。

NASの正式名は「Network Attached Storage」ですが、通称「ネットワーク対応HDD」とも言われ、ネットワーク=LAN(有線でも無線でもOK)に直接接続するHDDで、ファイルサーバーとして活用する専用機器のことです。

Windows OSベースのNASですが最新機種にインストールしているOSは、Windows Server IoT 2019 for Storage ストレージサーバー専用OSです。
特徴として通常販売しているスタンダード版WindowsServer OSの基本性能は変わらず低価格で販売されています。

次にLinux、Windows OSベースのNASを比較します。

WindowsOS

1.高機能だが比較的高価な価格帯(最近はRAID1モデルでは低価格が販売されています。)
2.Active Directory(アクティブディレクトリ)完全対応。
ただしADサーバーとしては利用できない。
3.Windows OSなのでWindowsクライアントとの高い親和性を発揮。
4.OSインストール不要すぐに運用可能。
5.クライアント数に応じたCAL不要で追加コストがかからない。
6.ノートパソコンクラスのCPU、メモリを搭載し、20台レベルの同時アクセスも問題なし。
7.ウイルス対策ソフト、バックアップソフトなどストレージ管理ソフトをインストールした運用が可能。

Linux

1.導入しやすく、お求めやすい価格を実現。
2. Active Directory機能に一部のみ対応。
3.独自Linux OSなのでファイルの日付情報が変更される問題も
4. OSインストール不要すぐに運用可能。
5. クライアント数に応じたCAL不要で追加コストがかからない。
6.CPU、メモリなどハードウェアが低スペックで、同時アクセスが遅い。
7.インストール出来るソフトに制限。

上記の比較ではWindows OSベースのNASにメリットが多いですが、Linuxベースと同様に問題もあります。

問題点として以下の通りになります。

1.Windowsアップデートでのトラブル。
Windowsアップデートで異常に時間がかかったり、アップデート中フリーズしてファイルアクセスが出来ない事がある。(NASの再起動が必要な場合がある。)
対応策として手動で定期的にWindowsアップデートを行い、自動アップデートは停止する。

2.ウイルスに感染に弱い。
Windows OSベースなのでウイルスに対しては購入時の状態では脆弱です。
常駐タイプのアンチウイルスソフトのインストールが必要です。
UTMなどの機器の導入をお勧めします。

上記2点が要注意事項です。

Windows OSベースのNASで一番メリットが大きいのはNAS故障時のデータ復旧がし易いことです。
特にRAID1モデルのNASは2台のハードディスクのミラーリング接続なので、どちらかのハードディスクが故障してもパソコンから直接USB接続機器でNASのハードディスクを接続してデータバックアップが出来ます。
Linuxベースと違いハードディスクのフォーマット形式がWindows形式なので復旧し易いです。
但し、NASのRAID形式がRAID1以外での復旧は難しく専門業者に依頼します。
RAID1以外はお勧めしません。

最後にNASの初期設定ですがLinuxベースと違い作業量が多いです。
主だった作業は以下の通りになります。

1.リモートデスクトップでの接続作業。(作業PCからの接続)
2.NASのHDDパーティション編集(HDDのデータ領域割り当て)
3.データ領域内のシャドウコピー設定(データの誤った書き込みの復元等)
4.アンチウイルスソフトのインストール、設定作業
5.Windowsアップデート作業及び自動アップデート停止
6.既存(NAS、PCから)データの移行作業
7.NAS使用ユーザーの作成及びアクセス権設定
8.NASのシステム全体及びデータのバックアップソフト設定。(バックアップ用外部接続HDD(USB接続等)にバックアップする。)
9.外部(VPN接続)からのアクセス用にルーター、UTMにNASのIPアドレス、使用ポートの接続許可設定をする。(状況によりNASにインストールしているアンチウイルスソフトも設定)

社内だけで使用の場合は項番8までの設定が必要です。

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